硬い蕾を柔らかく解いて、
優しい香りで辺りを包むその様は、
正に春そのものを表し、
母の温もりのような、
安心と安らぎを感じる。
そんな香りに誘われて、
メジロも春を祝ってる。
その足元では、
名も知らない可愛い小花が、
一緒に春を祝ってる。
精一杯に背伸びして、
太陽に向かって広げる花びらの愛らしさときたら。
少し春に馴染んだ頃には、
ぷっくりとした純白の白木蓮が、
空に向かって咲き始める。
凛とした佇まいには、
ついうっとり見とれてしまう。
春の喜びが胸に溢れてくる。
しかし自然は既に、
夏の準備も始めているよ。
紫陽花の木には、
小さな葉っぱが少しずつ広がりだしている。
花を先に咲かせる春。
葉を先に広げる夏、秋、冬。
ここから始まるんだなと心湧かせる、
自然の粋な計らいだね。