日常に溢れるメッセージ

日常に溢れる様々なメッセージを綴ります

辛い時こそ笑っていなさい

f:id:nakatakaori:20190331172316j:image

 

 

とある男と女の物語

 

それはまるで

60年代の洋画の世界のような雰囲気

 

モノクロで映し出された街には

歩道の上をケーブルカーが走っており

沢山の人で溢れかえっていた

 

そこに

とある男ととある女がいた

2人は夫婦で

決して豊かとは言えない生活を送っていた

 

男は自由な性格

靴を履いていても

水たまりの中を歩く

 

道を行くのに

乾いた道や水たまりのある道の区別をせず

行きたい方向へ進む

ただそれだけなのだが

妻である女も含めて

人は男を怪訝に思っていた

 

 

そんな2人は

毎年の記念日に写真を撮る事が決まりだった

その写真を撮ってくれる人は

彼らの知り合いのある人

 

ある人はいつも言う

 

はい 笑って

 

2人は貧しかった

男は気にもしなかったが

女は辛く

なかなか笑えなかった

 

辛い時こそ笑っていなさい

はい 笑って

 

それが

写真を撮る時のお決まりのやり取りだった

 

 

その頃の2人が良く食べた物と言えば

ミルクでといたマッシュポテト

塩味を効かせているが

具材は何もない

 

ある人は

そのポテトを大切に想いなさいとも言う

そして

笑っていなさいと

 

 

女は辛かった

男は相変わらず

靴を履いたまま水の中を歩くし

マッシュポテトも飽きるほど食べた

 

けれど

努めて笑っているように心がけた

 

 

それから数十年が経った記念日

2人は今年も写真を撮ってもらっていた

 

はい 笑って

 

2人は笑った

 

とても良いねとあの人は言った

 

 

ところで

ポテト料理は好きかい?

とあの人は尋ねた

 

女は好きだと答えた

 

色々な具材を加えて

ポテトサラダにしたり

ラザニアにも入れたりすると

 

とても良いねとあの人は言った

 

マッシュポテトはどうだい?

とあの人は尋ねた

 

女は言葉が詰まったけれど

やがて

好きだと答えた

 

辛かった頃を思い出すけれど

それを食す度に

笑っていようと思えたからと

 

あの人言った

 

辛い時の経験は

何かをキーワードにして必ず蘇る

君にはマッシュポテトがそれだ

 

マッシュポテトを思い出す時に

辛い想い出だけが蘇らないように

私は笑っていなさいと伝えていたんだよ

一緒に素晴らしい想い出も蘇れば

これまでの人生が

とても美しく素晴らしい道のりであったと

心から思えるようになるから

 

今笑って過ごせる事は

未来へのギフトなんだ

確かに辛さを越えて生き抜いてきた自分への

愛と感謝のギフトになるんだよ

 

 

女は思った

 

具材のないただのマッシュポテトばかりだった日々

今も尚 男は変わらず

靴を履いたまま水の中を歩くけれど

具材を入れ

料理のレパートリーも増え

楽しく食事をいただけている

 

 

そう それは

 

男が女の幸せを願い

ひたすら毎日努力を重ねて来たからだ

かと言って仕事に毒される事はなく

靴を履いたまま水の中を進みたいように進み

自分を見失わないように

女を愛する自分でいられるように

変な目で見られながらも

働き抜いたからだ

 

男は女を愛していた

今尚

靴を履いたまま水の中を歩くけれど

それでもまだ

女を愛している

幸せを願っている

 

マッシュポテトは

そんな2人を支えてくれたエネルギー

素晴らしい想い出として

蘇る未来を自分たちで作った

そんな「今」に

君たちは生きている

 

とても良いとあの人は言った

 

2人はまた 笑った

 

 

 

 

 

…という夢を見ました

 

まるで洋画のような街並みで

物語がしっかりした夢

鮮明に覚えていたのだ記してみました

 

貧しさが良し

豊かさが良し

汗水流して働き詰めるが良し

という事ではなく

 

無理矢理笑って

自分を押し殺すのでもありません

 

その辺の曖昧な部分は

夢を見ている私には

言葉を越えて伝わっていたため

夢の中で「シーン」としての描写はなく

エネルギーとして存在していました

 

辛いものは辛いから

ならばどうして笑っていようか

というのは考えなくてはいけません

試行錯誤しながら毎日を生きる事の積み重ねで

突破口が開けるようにも思います

 

 

自分のために

自分を喜ばせる努力は惜しまないよう

出来るだけ笑って過ごしていたいですね